我が家からバスで10分のところにある六義園は、もともとは柳沢吉保の大名屋敷であったそうな。柳沢吉保といえば、五代将軍徳川綱吉の寵愛を受けた側用人で、元禄時代に大老格まで上り詰めたやり手である。しかし、頼みの綱吉が薨去して将軍職が徳川家宣に移り、その儒学者である新井白石が権力の座についたことから、職を辞して隠せいした。この屋敷には、将軍もしばしば訪れたというが、非常に繊細であちらこちらに粋な仕掛けがある。

  文京区には、水戸藩の下屋敷の庭園であった後楽園があるが、ドームや高いビルが見えて、趣を損なっている。その点この六義園は、周りにそういう建物がないし、また植木職人もしっかりしているようで、ぜひお勧めしたい庭園のひとつである。私は、春のしだれ桜を必ず見に行くことにしているが、それとともに、秋の紅葉も誠にすばらしいと思っている。

            (2007年12月15日記)




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