邯鄲の夢エッセイ



武甲山と芝桜




 秩父・羊山公園の芝桜( 写 真 )は、こちらから。


 秩父・羊山公園の芝桜を見に、再び行ってきた。前回行ったのは5年前の4月29日の休日で、芝桜は8分咲きといったところだった。今回は4月25日と、それよりもやや早く、7分咲きくらいということで、本格的な見頃ではなかったが、それでも、かなり咲いていて、十分に堪能することができた。

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 行き方は前回と同じで、池袋から西武鉄道のレッドアロー号で西武秩父駅ひとつ手前の横瀬駅で降り、長閑な田園風景の中を20分ほど歩くと、芝桜の会場である羊山公園に到着する。なお、西武秩父駅からも25分程度で羊山公園に行けるが、決してお勧めしない。というのは、途中に急な登り坂があって、年配者は息が切れる。雨の日などは、スリップしかねないので、特に注意する必要がある。この日、私は、帰りに西武秩父駅に歩いて向かったが、急な下り坂で少し驚いた。登山靴を履いているならともかく、日ごろ街中で履き古した靴だったので、スリップして転ばないように慎重に降りた。反対方向から登って来る人たちは、一様に顎が上がってげんなりとした表情だった。

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 さて、横瀬駅から会場の羊山公園までの行程は、実にのんびりした風景が広がっている。やや起伏ある中間山地といったところで、田圃があり、小川のせせらぎもあり、各農家の庭先には美しい花々が植えられていて、持ち主の花を愛でる優しい気持ちが伝わる。その中を歩いていると、日ごろの喧噪を忘れてゆったりした豊かな気分となる。途中で見かけた花を思いつくままにあげると、西洋油菜、山吹、木瓜(ボケ)、花水木、躑躅、花桃、水仙、チューリップ、枝垂れ桜などで、まさに花盛りだった。

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 いよいよ羊山公園の芝桜の会場に到達した。甘いねっとりとした花の香りが一面に漂っている。芝桜からのものに違いない。さて、一歩、会場に入ると、ピンク色、白色、薄紫色の芝桜が一斉に敷き詰められ、なだらかにうねっている土地の形状に沿ってなめらかな曲線を描いて植えられている。空は青く、白い雲が浮かんでいる。これは綺麗な絵葉書のような写真が取れそうだ。夢中で会場内の道をどんどん進んで行き、その途中で右や左に向いて写真を撮る。そして来た道を振り返ると、そこには武甲山が聳えている。しかも、石灰石が採掘された後の階段状の姿が相変わらず痛々しい限りである。しかし今日は、空の青さに引き立てられるかのように緑色が強く感じられて、それはそれで風景に馴染んでいる。また目を戻すと、ピンクと白の芝桜の大群だ。ここからは、いくら筆で書いたとしても、書ききれるものではない。実際の写真を見ていただいた方が、感動がよりよく伝わるというものだ。なお、帰りがけに見かけたチューリップも、とても美しかったことを付け加えておこう。

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(平成27年4月25日著)
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