悠々人生のエッセイ









 12月中旬になり、そろそろ街中は、クリスマス一色となってきた。日米欧の先進国の経済は、昨年秋のリーマンショックに端を発した不況の影響から、ようやく立ち直ってきたのではないか・・・そう思っていたところに、今度は、ドバイ政府系公社ナキールなどのデフォールト懸念で、再び金融界には暗雲が立ち込めてきた。ドバイ側に対して日本の企業や銀行が持つ債権の額の総計は、今のところ6600億円というから、決して安くはない。

 しかし、それくらいなら、あのバブル期の数十兆円という膨大な債務に比べればたいしたことはない。日本の企業や銀行ならば、この程度は余裕で吸収できるはずである。しかし、何しろ一時は世界で稼働する建設機械の3分の1がドバイに集まっていたというくらいだから、やはり欧米の金融界にとっては第二のリーマンショックには違いない。ドバイに出来たあの818メートルの超高層建築物のブルジュ・ドバイとか、パーム椰子の木の形をした人工島のパーム・アイランドとか、世界地図を模したザ・ワールドなどの大規模な埋立プロジェクトに相当の肩入れをしてきたから、ただでは済むはずがない。むしろ、欧米経由で再び日本へとブーメランのように舞い戻ってくる悪影響の方が心配である。

 まあ、それはともかくとして、12月に入ってからというもの、東京はどこもかしこもイルミネーションが目立つようになった。ほんの10年ほど前は、たんに豆電球が光っているという程度の素朴なものが多かった。ところが最近のイルミネーションの中には、文字通り豪華絢爛そのもののような派手なものがあったり、様々な原色のレーザー光線が光の海の中を縦横無尽に走り回るようなものがあったりで、単に美しいというばかりでなく、確かな芸術性を感ずるほどである。ということで、今年の東京の冬を飾ったイルミネーションを写真で紹介していきたい。単に写真を羅列するだけではあまり面白くないから、それぞれに夜景点数なるものを付けてみた。もちろんこれには、別に客観的な物差しがあるわけではなく、私自身の趣味で採点したというわけである。


1.恵比寿ガーデンプレイス(夜景点数:98点)

 まずは、恵比寿ガーデンプレイスに行ってきた。ここは例のとおり、サッポロ・ビールがその工場跡地を再開発したところで、今や会社のドル箱となっているところである。しかし、TBSなどと同じで、これがあるからこそハゲタカ投資ファンドなど、その手の会社の標的になったりしている。だから、良いような悪いような、でもやっぱり有り難いという存在ではなかろうか。持たざる会社からみたら、実に贅沢な悩みといえる。それにしても、この広場のデザインは、温かく、しかもすっきりとしていて、私の好みである。広場全体のコーディネーターは、確か福井さんという人だったなぁなどと、昔のことを思い出してしまった。

 昔の私のHPを見ると、2000年12月にここ恵比寿ガーデンプレイスで、バカラのシャンデリアを見たときの写真があった。そのときは「縦6メートル、直径3メートルの豪華なもの」という表現だったが、それから9年目の今日では「クリスタルパーツ総数 8,472ピース、ライト総数 250燈」という世界最大級のシャンデリアとなっている。さて、それでは今年はどうなのだろうと、期待が高まる。

恵比寿ガーデンプレイス、バカラのシャンデリア


 いよいよ恵比寿ガーデンプレイス地区に入る。すると、エントランス・パビリオンの前を通り過ぎたら、もうそこは時計広場である。広場の中心には色とりどりの光が輝く大きなクリスマス・ツリーがすっくりと立っていた。そこから坂下へ向かうスロープの真ん中に赤い絨毯が敷かれ、その坂道のプロムナードの行きつく先のセンター広場に、目指すバカラのシャンデリアが鎮座していた。坂道のプロムナードの両側には、輝く木々のイルミネーションがあり、まるで、女王陛下に閲覧をしているような気分となる。このイルミネーションの温かい色に加え、豪華なシャンデリアと光り輝くツリーが美しく調和して、「これは素晴らしい」の一言である。家族連れも二人連れも、皆ニコニコした顔で通り過ぎる。この夜景に点数を付けるとすると、今年の夜景の最高点である98点を差し上げたい。ちなみに、わずかに満点でないのは、バカラのシャンデリアを包んでいるガラスの箱に、横の桟があって、それがシャンデリアを分断している感を与えているからである。

 恵比寿ガーデンプレイスの光の洪水を写真に収めようとカメラを向けて、マニュアル・モード → 夜景モード → プログラム・モード → オート・モードと、4つのモードで撮ってみたのだけれど、マニュアルの写真が一番ダメで、意外にもオートの写真が一番良く撮れていた。私の今の腕では、当たり前の結果とはいえ、悔しい限りである。今回の撮影で学んだことは、花火を撮るときと同じで、こういう場合にはISO感度を別に上げなくても、普段の100や200程度で十分だったという点である。しかし、三脚を使うなどして、カメラをしっかりと固定する必要がある。


2.レインボーブリッジ(夜景点数:95点)

虹色にライトアップが行われているレインボーブリッジ


 それから、新交通ゆりかもめに乗って、お台場まで行き、そこで虹色にライトアップが行われているレインボーブリッジを撮影した。ちょうどレインボーブリッジの中ほどには、ろうそく色にライトアップされた東京タワーがあり、またブリッジの手前の海には、屋形船が何艘も浮かんで、宴会の真っ最中である。これらの色と形が暗闇の中で混然と一体になって、素晴らしい景色である。この夜景には、恵比寿ガーデンプレイスのような全体を包む温かさのようなものはないが、虹色のナイフでシャープに暗闇を切り取ったという感じがするので、私の好みに合う。そこで、恵比寿ガーデンプレイスに次ぐ95点を付けたいと思う。

自由の女神とレインボーブリッジ


 さらに、レインボーブリッジを背景にして、自由の女神が立っている。これは、フランス政府公認のレプリカで「台場の女神」というらしいが、夜の闇の中でほのかな光に照らされて、すっくと立っているその凛々しい立ち姿と、色鮮やかな背景のブリッジとが調和して、これもなかなか秀逸な景色である。惜しむらくは、自由の女神に当てる光の色を間違えているということである。これには、オレンジ色の光を当ててはいけない。昼間の本体の色、つまり薄緑の色としてほしかった。


3.お台場〜海の地球(夜景点数:93点)

お台場ウォーターイルミネーションの「象」の映像

 お台場ウォーターイルミネーション実行委員会というところが、お台場でイルミネーションを行っていると聞き、東京の夜景を撮っている身としては、これは見逃してはいけないとばかりに、現地に行ってみたのである。自由の女神のところへ着いた頃には、もう夕暮れが近づいている。午後5時を過ぎる時には空にわずかな赤みを残すだけで、瞬く間に暗くなった。おかげで、この期間だけ特別に虹色にライトアップされたレインボー・ブリッジが、くっきりと見えるようになった。するとあたかもそれを背景として、海上に設置された長いノズルの両端から、何本かの色のついた噴水がわきあがってきた。続いてシャーッという音とともに、正面の一面に水が膜のように噴き上がり、そこに色とりどりの色彩や映像が大きく映し出された。

お台場ウォーターイルミネーションの「芽ばえ」の映像

 これは、どういう仕組みなのだろうと、一瞬、考えてしまったのだが、どうやら、正面の映像は、平面を作るように海水を噴水のごとく噴き上げて、いわば海上に水のスクリーンを作り、そこに後ろの台船に積んだ映写機で投影しているらしいことがわかった。理屈はわかったので、その映像を見るのに集中していると、最初は赤一色、青一色、それが橙色に代わり、さらにそれらの色がミックスするというように、色の変化で観客にインパクトを与えている。やがてそれが、次第に具体的な植物とか動物のような映像となり、若葉の芽、向日葵の花、象、シマウマなどと変化して、最後に地球が出てきて、この幻想的なショーは、おしまいとなる。途中では、背景のレインボーブリッジの映像まで映されるのには笑ってしまったし、文字までくっきりと映し出されたが、それがまた良く見えるものだから、驚きである。

お台場ウォーターイルミネーションの「レインボーブリッジ」の映像

 その合計時間は、約15分間という簡単なものだが、真ん中の幅40メートル×高さ15メートルのウォータースクリーンと、その両脇で高さ30メートルまで噴き上がる10本の噴水とのコラボレーションが、人の目を引く。これは、なんでもその実行委員会のHPによると「大型ポンプで吸い込んだ海水を特殊ノズルで噴出して造り出す」というもので、なかなかダイナミックなショーである。しかも、たまたまその背景にあってライトアップされている東京タワーやレインボー・ブリッジと、妙に調和している。題して「お台場ウォーターイルミネーション 海の地球(ほし)」である。海水を吹き上げて映画のスクリーンにしてしまうなど、なかなかのアイデアであり、一見の価値はあると思う。

お台場ウォーターイルミネーションの「地球」

 このショーのアイデアは秀逸なので、その夜景点数を考えるときには当然これを考慮する必要があることは言うまでもない。したがって、そもそも背景が虹色にライトアップされたレインボー・ブリッジなのだから、それが95点というなら、このショーについてはそれよりも当然に点数を高くするべきではないかとも思うのである。しかし、結論としては93点としたい。

 というのは、映し出す映画が、いささか中途半端なのである。様々な色の変化で勝負するのもよし、植物や動物で勝負するのもよいのであるが、この映画はそのどちらなのか、何がいいたいのか、観客としてははっきりさせてほしいと思うところである。つまり、パパッと一瞬にして行われる色の変化やそのミックスはそれなりにおもしろいし、それだけでショーとして成り立つと思う。だから、そこにわざわざ、字を映し出して何かメッセージを発しようとするところが、製作者側のうまくないところだと考えるのである。私に言わせてもらえば、植物や動物が意外にはっきりと映っていたし、それが予想外だったので、これ一本で勝負すればよかったと思う。そうすれば、イメージの拡散を防ぎ得たのではないかと考えるからである。


 開催日:平成22年12月21日〜平成21年1月11日
 時 間:17時、18時、19時、20時<毎00分〜15分>
 場 所:お台場海浜公園
 主 催:お台場ウォーターイルミネーション実行委員会



4.表参道ヒルズ(夜景点数:90点)

表参道ヒルズ


 表参道ヒルズに着くと、建物の前にキラキラ光るクリスマス・ツリーがあって、それが縦に割れている。そこに子供たちが入って、写真を撮ってもらっていた。なかなか、良いアイデアである。建物内の吹き抜けの空間には、いつもの通り何本かのキラキラ光る滝のような線が吊り下げられていて、そのうちの真ん中のものが大きなクリスマス・ツリーである。ツリーの一番下のところには、これまた光に輝く丸い球があって、誠に美しい。その周辺に親子連れや二人連れが集まってきて、口々に「わぁーっ、きれい」などと言いながら眺めている。

表参道ヒルズ


 表参道ヒルズのHPによれば「“White Forest”を装飾テーマに、本館吹抜け大階段には、高さ15.5m、約35,000個のスワロフスキークリスタルとホワイトストリング(白紐)に包まれた『マザークリスマスツリー』が輝き、光と音の演出により、幻想の世界に誘います」とある。とある。確かにこのデコレーションは、全体的にすっきりとしていて、清潔な感じがするから、点数として、90点を差し上げたい。足りない10点は、全体的に銀色が支配色のせいか、ちょっと温かみに欠けるところがあるからである。なお、今月からこちらのビルの地下1階で、「表参道H.I.S.スケーティングシアター」と題して氷のないスケート場が開かれている。そのうちお正月にでも、昔を思い出してやってみようという気もするが、家内からストップがかかるかもしれない。


5.東京ミッドタウン(夜景点数:85点)

東京ミッドタウン


 次のイルミネーションの会場は、六本木の東京ミッドタウンである。着いてみると、カタツムリのような妙なオブジェのある芝生広場が一面に紺色に染まっている。これは、宇宙を現わしているのか・・・その紺色の中をときどき白い線が縦横無尽に駆け巡り、これは星なのだろうか・・・それにしても目くるめく速さで動くものだ・・・、そういう壮大で幻想的な風景である。東京ミッドタウンのHPによると、「約2000m2の広大な芝生広場が、幻想的なクリスマスイルミネーションで埋め尽くされます。見どころは夜空に輝くスターダスト。立体的にきらめく約17万球のLEDの星屑の光が、来場者を夢のような宇宙空間へと誘います。20分に1回、流れ星が舞い降ります。その軌跡が描きだす流星群の<スペシャルプログラム>は、最大のハイライト。どうぞお見逃しなく」とある。

 ああ、あの白い線の動きは、流れ星を模しているのだ。確かに幻想的で、その動いている舞台は紺色なので、宇宙といわれれば宇宙のような感じを受ける。私も、この手の色が好きな方だから、とても気持ちがよく見ていられる。それはいいのだけれど、地上からこれを見ても、全体像がよくわからないので、やはり少し高いところから見た方がよい。そういう場所として芝生広場の手前に歩道橋があるのだが、問題はこのスターダストが見やすいはずの肝心なところに、妙なエレベーター・ボックスがある点である。それが邪魔をして、全体が見えないのは残念としか言いようがない。正確にいえば、正面が見える位置に2人くらいは立てる余地があるので、そこに身を乗り出せば全体が見えるかもしれないという、誠にバカげた設計なのである。それが減点要因となるので、点数を付ければ85点というところである。


6.カレッタ汐留(夜景点数:80点)

カレッタ汐留のイルミネーション


 カレッタ汐留のイルミネーションを見に行ってきたのだけれど、青や赤や緑の原色が縦横無尽に飛び交うような、その演出のあまりの派手派手しさに、あっけにとられてしまった。海のプレミアム・イルミネーション「Blue Ocean」と題するこのショーは、カレッタ汐留のHPによれば「葉加瀬太郎氏プロデュースによる約15分間のスペシャルプログラムショーは、光と音楽で紡ぎだされる夢の世界。夜明けからはじまり、マーメイド達が優雅に舞う海中へ。色鮮やかな魚かちも加わりツリーを中心に楽しくダンス。夜空に、満天の星が瞬く中エンディング・ベルが神秘的に響き、華やかなフィナーレを迎えます」とある。

 いや、それにしても、海や空が真っ青なところに、中心のツリーの色が赤や橙やピンクに変わり・・・と思ったら、緑のレーザー光線が左右上下に走り、それが雲のように空中に漂う。緑のイルカが壁を泳ぐ・・・まあ、幻想的といえば、こんなものをいうのだろうが、あまりにも混沌としていて、プロデューサーが何を表現したいのか、さっぱりわからない。まるで、47億年前に原始地球が生まれた頃のような、いわば創世期時代のシミュレーションのごとくである。もっとも、そんな古い時代のことをわざわざ引き合いに出さなくとも、ピカピカ光って、一瞬にして別の色となるところなどは、一昔前のディスコ、ジュリアナ東京を思い出してしまった。

カレッタ汐留のイルミネーション

 照明やレーザーの技術はよいとして、これはやはり、ストーリー性を間違えたのではないだろうか。このままの舞台を生かすとすれば、火山活動による地球誕生の時代から、水にあふれた時代を経て、陸地には緑が茂り、生物は多種多様に生息しているけれども、地球温暖化でそれが危機に瀕しているとか何とかいって、環境問題と関連付けた方が、よかったのではないかと思われる。まあ、そんなことで、これに夜景の点数を付ければ、さしあたり80点としておこう。努力と斬新さは認めるものの、光の技術とストーリーがどうもちぐはぐなことから、20点の減点である。


7.新宿ミロード(夜景点数:70点)

新宿ミロードのモザイクステージ


 今年の新宿西口のイルミネーションが、なかなか良いという話を聞いて、忘年会のついでに立ち寄って見てきた。南口の方にもあるらしいが、私が見たのは、西口の小田急の建物から南口につながる細い路地である。普段は、ここは建物の隙間にたまたま作られたという頼りない感じの商店街の道で、商店街といっても、道の両脇にいくつかのアクセサリー・ショップや食品を売る店などが並んでいる程度のものである。詳しいことはよく知らないが、正式には「新宿ミロード」というらしい。

新宿ミロード



 それがまあ、どうしたのかと聞きたくなるほど、天井と壁の両脇などに青が基調の電飾を付けて華やかに変身していた。天井には青の電飾が波打つように飾られているし、壁の両脇には星のような向日葵のような、あるいは植物のツタのような模様が青い線で描かれている。まあ、総じて若い女の子の趣味に近いのではなかろうか。その新宿ミロードの中ほどにある「モザイクステージ」というところには、そうした模様をバックに、暖色系と寒色系の二つのツリーが並んでいた。暖色系があるおかげで、青一色よりは冷たい感じを受けないなど・・・なかなか上手な演出である。

 ということで、自宅で寛ぎながらクリスマスを祝うという、家庭的な雰囲気を感じないわけでもないが、やはり青一色が基調なことから、どうも私には冷たく感じるだけでなく、全体的に子供っぽい印象を受ける。要すれば、少々ディズニー・ランド的なのである。まあ、とても私の好みではない。そこでこちらの夜景の点数を付けるとすれば、さしずめ、70点というところである。


8.光都東京ライトピア(夜景点数:60点)

光都東京ライトピア「アンビエント・キャンドルパーク」


 「人と都市を、やさしい光で包み込む」というテーマを掲げて、「光都東京ライトピア」というイベントが皇居の和田倉噴水公園、丸の内地区その他東京駅周辺で行われている。12月21日から29日までの予定である。そ公式HPによれば、「『地球・環境・平和』というコンセプトのもと、人と地球にやさしい多様な光の世界を展開し、光のゆらめき、光のやすらぎ、光のときめきで、人と都市を包み込みます」というのである。色々な場所で同時並行的に行われているが、どうやら次の三か所が中心のようだ。

 第一は、「アンビエント・キャンドルパーク」で、皇居外苑会場として和田倉噴水公園で行われている。これは、公園の真ん中にある三つの噴水とともに、その前の広場にたくさんの円筒形の灯りが置かれている。これは、HPによれば、「『地球・環境・平和』をテーマに、著名人及び千代田区の小学生がメッセージを描いた明り絵を公園中央に並べます」とのこと。

 その「円筒形の灯り」であるが、三つの噴水を背景として600個もの灯籠が整然と並べられている。その灯りは暗闇に揺らめき、あたかも灯籠流しのごとくである。それはそれで幻想的なのであるが、ひとつひとつの灯籠は小さいので、残念ながら何がどう書かれているのか、誰の作品かは判然としない。だから、見物人としては、暗闇に浮かぶその幾何的な模様をただ眺めるだけである。HPでも何でもよいから、せめて、これには何が書かれていて、誰が書いたのかということを知らせないと、単に書いた人たちの自己満足に過ぎないのではないだろうか。だけどまあ、暗い中でろうそくの火が揺らぐその様子を見ていると、昔、子供のころに川で行った灯籠流しのことを思い出して、懐かしい気になったのは事実である。

 第二は、「フラワー・ファンタジア」で、日比谷の東京会館の辺りである。どんなものかと楽しみにして行ったのであるが、残念ながら、大いに期待外れとなった。安っぽくてつまらなくて、まるでディズニーランドの夕方のショー並み・・・いやいや、それよりもはるかに劣る。何の脈絡もない光る玉とか、おとぎの国の模様みたいなのが暗闇に浮かんでいるといった具合である。

 第三は、「光のアート・インスタレーション光雲(ひかりぐも)」で、皇居のお堀の石垣に作られている。遠目では、まるでレース飾りのようであり、「ええっ! たったこれだけ?」と言いたくなるほど気が抜けるイルミネーションである。何十年か前の花電車(市内を走る電車で、夜の暗闇に映えるような色とりどりの電飾を付けて走った)の方が、はるかにマシというものである。

光都東京ライトピア「光のアート・インスタレーション光雲」

 総じてこの催しは、例の光のアーティスト石井幹子さんがエグゼクティブ・アドバイザーを務めたと聞くが、どうも出来が良いとはお世辞にもいえない。むしろ、失敗作ではないかと思われる。石井さんご自身は、あちこちで成功を収めた著名な方なのに、これは一体どうしたの?と聞きたいところである。それとも、彼女は単に名義貸しで、実際に企画立案したのはまったく別の人たちかもしれない・・・それにしても、はっきり言ってしまって申し訳ないが、もう少しまともな企画ができなかったものか・・・。もっとも、場所が皇居だったせいか、派手にやるには色々と制約があるという同情すべき面があったのかもしれない。ということで、夜景点数は、懐かしい思いのしたキャンドルパークを高く評価してちょっと甘めに付けたとしても、まあ60点というところだろうか。


9.丸の内仲通り(夜景点数:50点)

丸の内仲通り

 私は、東京駅の丸の内地区をときどき通るのであるが、確かに丸の内仲通りの両脇の街路樹が輝いている。「シャンパン・ゴールドの輝き」というのがその触れ込みである。それはそれで、一昔前ならムード満点といいたいところなのだけれども、恵比寿ガーデンプレイスの上品さ、人の度肝を抜くカレッタ汐留の劇場型企画や虹色のレインボー・ブリッジの派手さをいったん見てしまうと、それらに比べればとても大人しいというか、目立たないというか、いささか時代遅れのような気がするのである。したがって、夜景点数は、平均的であるという意味で、まあ50点というところである。


10.表参道けやき並木(夜景点数:40点)

表参道けやき並木

 表参道けやき並木である。ここは、11年ほど前まで、寒くなると街路樹のけやき並木のイルミネーションが煌々と輝いていて、表参道の冬の風物詩だった。しかしそのうち、街路樹によくないとか、省エネに反するなどと批判されて中断のやむなきに至った。ところが、表参道の商店街の人々から、やはり年末年始にはこれが必要だという声が上がり、今年から再び街路樹に付けられるイルミネーションが復活したのである。

 行ってみたら、表参道の交差点辺りから押すな押すなの混雑である。その中で、三脚を立てるなどとても出来なくて、歩きながら数枚を撮っただけで、そのまま表参道ヒルズまで押されて行ってしまった。そういうわけで、あまり詳しくは見ていないのだけれど、単に並木に昔のような電飾を付けただけに終わっている。せっかく、11年ぶりに復活したのは良しとしても、この長きにわたる休止期間中に、他の夜景スポットの展示技術や内容がはるかに勝るようになって、さほど魅力的な夜景ではなくなったということだろう。したがって、夜景の点数としては、40点くらいしか差し上げられない。

 これで、東京のあちらこちらへ、話題となっているイルミネーションの夜景を見に行った。夜景なので、昼間には撮れないし、点灯時間も限られていることから、すべてを回るのは意外に大変だった。まあしかし、風邪も引かずに楽しんで撮ることが出来たことを喜んでいる。いずれにせよ、今年も心身ともに健康で終わりそうであり、幸せな年の暮れである。




 皆さまにおかれては、この一年、悠々人生を楽しんでいただき、ありがとうございました。来年また、お会いしましょう。良い年をお迎えください。




(平成21年12月13〜27日著)
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